2013年ごろ韓国に行ったとき、京畿道安山市の多文化村特区という場所に行ったことがある。
安山市は韓国有数の移住者の街だ。
多文化村というだけあって、さまざまな国の人たちが安山には集まっている。
私が訪れたときは、ストリートでいろんな国の人たちが混ざり合いながら、バレーボールなどのスポーツを楽しんでいる姿を見た。
訪れた当時の写真はないのだが、下のリンクの写真を見るとなんとなく街の雰囲気は伝わるかもしれない(文章は意味不明な部分があるけど)。
codecorea.github.io
このブログも多文化村特区を紹介している。
4travel.jp
さて、ここからが本題なのだが…
多文化村特区を街を歩いていると、さまざまな出店が並んでいるのが目につく。
さまざまな国の料理なども販売されており、豚の頭とかも売ってた記憶がある。
そして、私が訪れたときは、衣服などが破格の値段で投げ売りされていたのだ。
世界中から人が集まる土地のため、いろんな国から集められたTシャツやズボンが雑多に積まれている。なんだかロマンが敷き詰められているような気がして、一緒に来ていた友人たちとそこでTシャツをディグる(探す)ことにした。
いろいろと探してみると「すき家」の店員が着ている制服も出てくるのだ。
日本のすき家で過去に働いていた人が制服を持ったまま安山に流れ着き、なにかのルートでこの制服を売りに出したのが、今目の前にあるものなのだとしたら、たかだかすき家の制服が壮大なストーリーを持っていることになる。なんというロマンでありなんというドラマ…。
そんなことを友人たちと話しながら私が手にとった一枚のTシャツがこれだ…。
このデザイン…ヤバすぎる。
「ILLすぎる」とはこのことではないのか…?
「西浦なかよし会」なのか??「なかよし会西浦」なのか??地元の集まりだけでつくられたかのようなノリのTシャツ。一体どこの誰が何の目的で作ったのかが謎すぎる。そしてなぜこの安山の地に辿り着いたのか。なかよし会のメンバーが安山に来て手放したのか?なかよし会のメンバーが別の第三者に渡してここまで辿り着いたのだろうか。そもそも何の団体なんだ…?情報はここにプリントされたジョッキがぶつかり合って星が飛ぶ景気の良いイラストしかない。タグなど他の情報は全く無い。
これは「買い」だ。運命だ。そんな出会いがあり即購入をした。
当時このTシャツからはほんのりと鮮魚や肉の混じり合った匂いがしていた…(プーケットの市場に行ったとき同じような匂いを感じた)。
さて、やはり気になるのはこの団体の実態である。
「西浦なかよし会」、「なかよし会西浦」どちらで検索をかけても全くヒットしない(個人的には「西浦なかよし会」のほうが語呂的に好きだ)。Tシャツのデザインを切り抜き、画像検索をかけてみても結果は同じ…。今のインターネットに全く情報がないくらいローカルな集まりによって作られたものなのだろうか…。高校時代に(無言の圧力によって半強制的に)購入させられたクラスTシャツのようなものなのか(クラTについては無限に書くことができるがここでは割愛!)。確かに、文化祭などで1〜2度着用されただけのクラTの行き着く先は寝巻きや部屋着である(クラTが背負った悲しきカルマ)。そこから考えると、このようなTシャツがなんの感情もなく持ち主の手元を離れ、海外の地へ流れていくことはあるのかもしれない。ただ私はこのTシャツはクラTとは全く性質が異なるものだと感じるのである。
そもそもクラスTシャツ以外でオリジナルのTシャツを自分たちで作る機会はほとんどないだろう。ましてやこのデザイン…。そして自分たちのグループ名を考えるときに満場一致で決まったのが「なかよし会」である。「なかよし会」で検索をかけても小学校の児童会(学童保育)の名前ばかりがヒットする中、あえてそのネーミングを使用する。とんでもないセンスをしている。そこのところを全く気にすることなく進んでいく感じ…クラTとは違い、なんというか「年配感」がすごいのだ。
私の予想としてはこの「なかよし会」はそこまで大きな集団ではない。そして「西浦」はおそらく地名を表している。「西浦」で検索すると一番最初にヒットするのは愛知県蒲郡市にある西浦温泉である。
ja.m.wikipedia.org
nishiuraonsen.com
これはかなり信憑性が高い気がする。温泉とくると自動的に「泡が溢れるビールジョッキ」を思い浮かべてしまうのは事実だ。この2つの相性は筆舌につくしがたい。
(以下は勝手な想像です)
なるほど、西浦温泉に住む観光に携わる人たちが寄り合い的な集まりで、地元の観光産業をもっと盛り上げよう!というテンションになり話が進み、「やっぱり温泉街ならビールでしょ!!」となんの捻りもないアイデアが出たのだろう。「俺たち、昔からお互いのことを知ってて家族みたいなもんじゃないか!どんな時も仲だけはよかったよな!そうだ!『なかよし会』っていう名前はどうかな!?」「賛成!!!」みたいなやり取りがあったのだろう。田舎の温泉街で結成された「なかよし会」、おそらくその中枢は年配のおじさん数人だろう。さらにそこからおじさんたちのコネを使って業者にTシャツをデザインしてもらい、製作に踏み切った。そして出来上がったTシャツは中枢と距離が近い人たち(家族・友人)に(半ば強引に)配布された。おじさんたちは数日の間そのTシャツを着用したがだんだんと着用回数が減り、さらに受け取った人たちは着用する機会も場所もなく、そのままTシャツは行き場を失い、人から人へと渡りとうとう海まで超えて韓国・安山の地へ流れ着いたのだという壮大なストーリーが頭を駆け巡る。
ここまでは私の勝手な想像であり、西浦温泉とは全く関係のない別の西浦で制作されたものかもしれない。ただこのTシャツが日本を離れ、遠く離れた韓国・安山の地で私と出会い、再び日本に戻ってきて今私の手元に存在している。
これは「夢の痕」だ。
色々なロマンが詰まりに詰まっている。だからこそこの団体・組織のことを知りたい。
是非情報が欲しい。
なにか知っている人がいれば連絡をして欲しい。
この団体を知っている語り部と出会いたい。
というか、むしろこうなってしまったら私も「なかよし会」の一員である。
もし西浦温泉で作られたものなのだとしたらいつかこれを着て温泉街を歩いてみたい。
最後に「なかよし会」の一人としてもう一度。
「西浦なかよし会」についてなにか知っている人がいれば連絡をしてください!!!!
しかし何度も言うがこのデザイン、本当に好きすぎる。商標登録などされてなさそうなら勝手にステッカー化しようかなと考えている(小声)…。