BONNOU THEATER

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世界カンニング大全!『バッド・ジーニアス』

この記事を読んでいる人たちはカンニングに手を染めたことがあるだろうか?

私はある。

これ以上は言わないが、それも幼いときばかりではない。

みなさんはカンニングしたことがあるだろうか。

 

そんなあなたにオススメな映画『バッド・ジーニアス』。

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https://eiga.com/movie/88464/より引用

タイ産の映画だ。

エリート学生の主人公が友人のためにテストの答案を見せたことから、カンニングをさせることで金銭の授受をしていくという物語。熱かった。

Yahoo!映画では、「カンニング版ミッションインポッシブル」と言われていたりも。糞映画レビューサイトにしてはなかなか面白い言い方をする。

 

驚きだったのは、タイもアジア諸国同様受験戦争があり、学力至上主義の流れになってきているんだなあと言うこと。消しゴムに答えを書くことから始まった不正行為がピアノの鍵盤を弾くモールス信号、時差を利用したものなどに発展していき、多少勢いで押し切ったような映画ではあったが、落としどころもよかったように思う。

日本でもセンター試験の時期になるとちょくちょくカンニングの事件が話題になることもある。記憶に新しいのはaicezukiによる大学入試不正事件だ。国内で初めて発覚した携帯を使ったカンニング事件として、私も衝撃を受けた覚えがある。しかも大胆にも試験中にスマホを打って、あの日本の掃き溜めとして名高い(自分でそう呼んでいるだけだが)Yahoo!知恵袋に投稿するという荒業で…。犯人は当時仙台に住んでいた予備校生らしいが、今思うと、履歴やIPアドレスから一発特定される方法を選ぶあたり、なかなか切羽詰っていたかよほどアホなのか…。

大学入試問題ネット投稿事件 - Wikipedia

まあスポーツと一緒で向き不向きが人間にはあって、勉強にも向き不向きがあるんだよな。ただ、悲しいことにこの世界は勉強で戦っていかなければならない世の中。自分は与えられたカードでどう戦っていくのかということなのよ。カンニングにも向き不向きがあるだろうけど。

今回の映画はタイ、インド映画の『きっと、うまくいく』などでもインドの教育問題などが取り上げられていた。韓国も受験戦争がとてつもないということをよく聞く。それくらい現在のアジア諸国では、入試が激化しているということだろう。ということは、一定層、カンニングを実行しようという人間がいてもおかしくはない。そういうわけで、世界のカンニング事情について少し調べてみた。

 

まずインド!

www.huffingtonpost.jp

さすが教育大国。集団カンニングというインパクトよ。これはもはや個人のカンニングに留まらず、家族ぐるみ、というかもはやカンニングの領域を超越しているようにさえ思える。『万引き家族』もビックリだろう。しかしまあ、ここまでしなければならないインド社会自体に問題があるようにも感じる。

 

次に中国!

www.businessinsider.jp

gigazine.net

いろいろとやべえ。。。こういうデバイスを受験生が開発しているとは考えにくい。まあ現実的に考えると、こういうのを作っている人間がいるってことだよな。カンニングビジネスが蔓延っているということだろう。カンニングを生業としたマフィアみたいなのも存在しているんだろうな。ただ、一度でいいから、こういうのを使ってみたい。名探偵コナン感というかひみつ道具感がいい。

 

アジアばかりではなく、ヨーロッパも!

ということで個人的に詐欺師イメージの強いイタリア!

タダ乗り&万引き常習犯?私が出会った悪いイタリア人の行動5パターン

(なぜか埋め込めない)

ううむ。カンニングに関してはなかなかかわいいもんだな。ジェラートに唾入れるというどうしようもない行為についての方が気になったぞ。イタリアに行ったときはジェラートは食わねえ。

 

カザフスタンでは11メートルのカンニングペーパーを仕込んでいたのがバレたというニュース!世界にはまだまだとんでもない猛者が潜んでいる…!

irorio.jp

 

その他、さまざまなカンニング方法を探してみるとおもしろい。

matomake.com

女の太ももにカンニングペーパーしこまれたらもう何も手立てはないな。セクハラだなんだと騒がれる今こそこの方法を使うしかないのでは。東京医科大を今年受ける予定の女性には一番オススメの方法だ。

『バッド・ジーニアス』では鉛筆のバーコードを使ってカンニングを行うというものもあったが、飲み物のラベルとかもなかなかよさそう。ただ、手間とコストを考えると割に合わないか。

 

このサイトもいろいろなカンニング方法を紹介しているが、基本「バレます」と書かれててなかなか面白い。

ameblo.jp

 

やはり世界は広い。そして世界各国で今もカンニングをしようとしのぎを削っている猛者たちがいる。それくらい彼ら、彼女らにとって受験というものは将来食えるか食えないかに直結しているということだろう。適当に受験して、ろくに勉強もせず、女をレイプするような脳味噌しか持たなくなった産業廃棄物のような学生がいる国とは根本的に違うんだよな。

『バッド・ジーニアス』の話に戻ろう。これは厳密に言うとカンニングとは少し違う。エリートが金稼ぎのため、解答をどう周囲の人間に伝えていくかという映画である。カンニングはわからない問題に直面した自分が、仕込んだものを使っていかにその問題を解決していくかという構造である。その点で言うと、この映画を「カンニング映画」とくくってしまうのはいささか乱暴であるような気がする(「チーティング映画」あたりが妥当なネーミングか?)。この映画で印象的だったのは、超エリートの主人公が自分のことを「負け犬」と呼んでいることだった。いくら勉強ができたってお金がなければ何もできない。考えてもみると、幼少期はスポーツができるやつがモテる。それがだんだんと勉強ができるやつがモテるようになり、学歴社会の波に全員が飲まれていく。そして最終的には金があるやつがモテるようになっていく。先程、勉強には向き不向きがあって、与えられたカードで私達は生き抜かなければならないと言ったが、この映画はその構造そのものにもNOと言っている。与えられたカードでいかに金を稼ぐか、いかにしてメイクマネーしていくか。自分を理解して、自分を最大限活かして、金を生み出す。これは自己プロデュース映画なのだと感じる。そして、その現実はとてつもなく悲しい、だからこそ応援したくなる。

 

そもそもなぜカンニングは悪なんだ?

フェアじゃないから?ずるいから?

くそくらえー

 

与えられたカードで勝負しなければいけないこの世の中。どのカードを切るかは私たちが決めることだ。

そして全ては以下のセリフに集約される。

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ジョジョの奇妙な冒険 第3部