bonnou映画館

ツイッターやってます(@bonkurabrain)。映画が不謹慎で何が悪い。本、映画、宗教の話が好き。

『ウォーターパワー』はなぜこれほどまでに私たちを魅了するのか

お久しぶりです。

 

今年は各地で開催されているカナザワ映画祭

残すところあとは仙台の「あなーきー・いん・ざ・にっぽん」のみとなった。

行けないのは本当に悔しい。

 

先日京都みなみ会館で行われた「エロス+猟奇」で再び上映されることとなった「ウォーターパワー」について今回も書こうと思う。

 

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私も昨年のカナザワ映画祭で衝撃を受けた一作でもある。衝撃のあまり、当ブログにも浣腸についてフィーチャーした記事を書いてしまったほどだ(その記事がこのブログのアクセス数で一番多いのは何とも言えないが)。

jzzzn.hatenablog.com

今回も必ず見なければという使命感から、猛女オールナイトで精神的にヤラれ(早朝ディープ・スロートの破壊力で)、とうとう3日目の真っ昼間浣腸劇を鑑賞するに至った。

今回、何がすごかったかというと、私が席について上映を待っていると隣にあのセーラー服おじさんが座ってくれたということだ…!セーラー服おじさんの隣で『ウォーターパワー』を鑑賞できる多幸感は素晴らしかった。

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主宰の小野寺さんと軽く話をしたところ、「今回の上映作品では一番チケットが売れている」とのことであった。そして、入場前には「満席」とのアナウンスが流れていた。みんな糞尿好きすぎ…。

 

そして上映は昨年同様笑いあり、白熱の逃走劇あり、最後は拍手ありと最高であった。

今年は昨年よりも冷静になって見ることができた。

なぜ、『ウォーターパワー』がここまで愛されているのだろうかということを考えた。

(私も愛している一人。今回のウォーターパワーグッズは全て買いました。)

 

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*1

 

それは、少年ジャンプのテーマ「友情・努力・勝利」に近いのではないかと考えた。

しかし、この主人公、友達はいないので「欲情・努力・勝利」というところだろう。。

この3つの黄金比によってこの作品は成り立っているのだろう!! 

 

「欲情」

あの男(主人公)はこの社会に物足らなさ、意味のなさを感じている。自分は何者でもないという虚無感を持っている。その虚無感をセックスで満たそうと試みるが納得できるような成果を得ることはできない。だからこそ風俗の「スペシャルコース」に異常なまでのこだわりを見せる…(15分コースで一発キメてるのもすごいけど)!そのスペシャルコース(浣腸プレイ)から「浣腸の使者」としての自我が芽生える!そして、浣腸によってこの腐った社会の浄化を自分が託された使命であると自覚する。この自己肯定、自分は特別な人間なんだという思いこそが我々が本当に望んでいる感情なのだ!

 

「努力」

自我の目覚めから、この男は毎日部屋を覗いている女性の家に忍び込んで、レイプ&浣腸童貞を捨て去る!(便座に座っている女性に対して「ウンコしてるところがみたいからバスタブに移動して」というセリフの愛らしさ!)そしてその高揚感から更に道具を買い足し、研究し、深めていくという「努力」が本当に素晴らしい。いろいろな種類の浣腸袋を購入し、成長していく姿を間近で見ることができるのだ。二人同時浣腸に試みたり(ジュネーヴ医学生時代に学んだ風船つき浣腸を使っていた!)、しゃべれないように口にりんごを縛り付けて、水道から直に浣腸をしたりと。この努力と実践力、その飽くなき精神には心からの拍手を贈りたい。

 

「勝利」

そして、この男一般社会から見たら大犯罪者であろう。実際に「エネマ・レイプ犯」として警察に追われている(この警察の無能っぷりももまた愛らしいのだ)。この腐った社会の警察は果たして「正義」なのだろうか?「正義の使者」は一体どっちなのか!?警察が浣腸の現場に駆けつけようとしている緊迫した状況の中、最後はこの男がアッサリ勝利を掴み取るのである。ここが自分の中ではポイントが非常に高い。自分が正しいと信じていることがこれほどまでに肯定され、努力を積み重ねることによって勝利に導かれる。これこそが鬱屈した社会の中で潰されていくのではなく、自分の欲望のままに勝ち続けていきたいという私たちのこころを高ぶらせ熱狂させるのではないだろうか。

 

「努力は必ず報われる!」とかどこかのアイドルが言っていたが、そんな薄っぺらい勝利者の言葉より、ただ社会に対する鬱憤を爆発させ、黙々と自分の使命を全うし、後ろを振り向かず勝ち続けていくことこそが本当の勝利でありこれこそが魅力なのだ。

 

「口先で喚くのではなく、姿勢で表せ」ということを学ばせてくれるのが『ウォーターパワー』なのである。

 

*1:画像はカナザワ映画祭のブログから拝借しましたhttp://eiganokai.blog.fc2.com/blog-entry-507.html